2007年4月28日にIGDA日本開催のゲーム開発者セミナー連続企画:新世代CG表現の事例報告 ~第1回~「PS3「GENJI -神威奏乱-」におけるCGムービーメイキングに行ってみました。
基本的にセミナー中にメモったものを起こし直したので、 聞き漏らしたり、勘違いしているところがあると思います。すいません。
開発プロデュース、リアルタイムムービー
代表;山路さん(今回の司会者)シェンムー、Xbox 事業部を経験してきた
114名
ゲーム開発と映像製作の中間を狙っている
CGの質はゲームと映画であまり変わらない->ノウハウ共有を考える
役者手配、キャプチャー、CGのリアルタイムデモまで一元的にやっている
ゲーム開発
274名
東京、名古屋、大阪、札幌:それぞれ何タイトルか作っている
楽しく苦しく作っている
プリレンダー、映像演出
できて30年ぐらい
2次元アニメからスタート
青山;TV CM、2次元、3次元
桜上水:撮影->CGをやる場所
調布:映画のCG、ミニチュアとCGの合成とかできる
名古屋のゲムリパ(40-50人)、調布の白組、と共同作業
リアルに持っていこうとすると暗くなるので、あえて派手な色彩をねらった
最初にビジュアルコンセプトをびしっと決めた
1は上手くいったと思っている
イメージイラスト
義経は、ちょっと悪い青年をイメージ。上手くいったとおもう。
軽やかさを衣装で表現。
そこから作ったモデルが似ている似ていないでもめた。
先にできたものにあわせましょう。
反省点;すごいシーンでもしょぼくて、しょぼいシーンでも力をかけていた部分があった
プレミアムエージェンシーに入ってもらった。
PS2 向けの1が終わったときから
ほとんど同じ開発体制(チャレンジャブルなことはできていない)
2005 年の春を思い出す
PS2の開発が終わり、次にどうつなげるか考えていた
PS3 の話が 5 月ごろ
スケジュールが厳しかった(ハードの開発と共に)。1年ちょっと。
ローンチが決まっていたが、最初のローンチは何時の予定だったっけ???
PS2 のノウハウは他の会社がたくさん持っていた。
もともとはPS2用だったけど、いきなりプロデューサーからPS3になるという電話を受けた。
画面がでかくなる->機材がかかるのを心配した。スタッフのモチベーションは上がった。
画面の広さが4倍でも開発費が4倍になるわけではない…
プリレン作って、それを見て実機チームが追いかけた
イメージイラスト
ちょっと年をとった
そこからハイポリチームがモデルを作りはじめた(実機ではどのくらい出るのか分からない)
実際は(映像用のローポリ。リアルタイムに持っていくことを考えていた。
テクスチャーは使い回しをしているので色味は統一されているはず。
ノーマルマッピングが肝になった。
GENJI2 では、ハイポリが先にあって焼きこみが使えるようになったので、それを使った
(ゲムリパではZBrushを使用)
データ
キャラ:12400 ポリゴン:1024x1024 のテクスチャ (Genji 1:2564ポリゴン、1024x1024:デカール、ノーマル、コントロールマップ)
メインキャラ1対にザコ4体の負荷
背景:20万ポリ:512x512のテクスチャが20-30枚(Genji 1:2,3万ポリゴン、256x256が40-50)
2005 年のE3
他のメーカーの映像表現がリアルタイムかプリレンかを悩んでいた。
当時は、リアルタイムと聞いていたけど実はプリレンだった…
ムービーは1世代前の映画まで来た。
解像度が上がると動きがしょぼいとどうしようもない。
変えられるとこ、変えられないとこ。
キャラ数、バリエーションが増えてモーション数が増えた
(それ以外の違いってあったっけ???)
ムービーはプリレンだからリアルタイムデモへの尺が伸びた
プリレンダが作りきれない。
予算は微増しかしない。4倍の時間のレンダリング
リアルタイムデモ
これからキャラの衣装が変わるとか考えると避けては通れない道
かといって、すでに公開されているムービーよりもしょぼいとユーザーにたたかれる
名古屋の40年ぶりの雪の日、いきなり名古屋に飛ばされてソニーさんに部屋を確保されていた…
ムービー制作の人とゲーム開発の人を衝突させる場を作った(プレミアムエージェンシー)
別の言い方をすれば両社の緩衝材
それぞれの会社の10年選手の人間は、同時のやり方を確立しているので、
やり方の違いが絶対に出ていて衝突は起きる(どちらが正しいかということはない)
フロー:
字コンテがゲムリパ、それをみて白組で絵コンテ(秋冬)。
モーション洗い出し、キャプチャ(12月~:デモ用モデルはまだ無い…)。
キャプチャ作業をビデオ撮影してVideoコンテをつくった。(我々が初めてではないが…)
確認作業が楽になった(Vコンテのタイムコードでキャプチャデータが拾い出せるようになった)。
人間が口で伝えるよりも情報量は上。大規模開発には効率も必要なのでだいぶ良い。
モーションビルダーで検証(ノートPCでも適当な速度で動く)
プレビューはPC。色味が違うので最終確認は実機で作ったビューア(PSGL)。
フェイシャルはビデオを見ながら撮影。
モーションブレンドとか使った(負荷が2倍なので大変なのだが…)
やりたい絵を作るために演出をかえるようなつくりにした。
ゲームは360度カメラを回せると思っていたが、作っていない背景とかあった…
モデルは、体をゲムリパ、顔を白組が作るとかやっていた。
プリレンダーとリアルタイムデモは、お互いに制限があるけど、もう区別しないで考えている。
ゲームは向こうのものよといわれるのがすごくむかつく。
違う映像表現、エンターテインメントを求めていかないといけない。
Q.HDのランニングコスト
A.機材は特に無い。HDD が山のようにたまっている。
Q.どれぐらい開発機材を用意した?全員に配置?(今給黎)
A.Genji の時はHDモニタがは1台。今は3,4台ある。基準モニターは全部の場所で共通のものを決めた。PCはデュアルモニタは当然だよね。
Q.HDってフル?
A.720p(D3)
Q.データを戻すこととか無かったの?
A.監督が優秀だった。ほとんど無かった。(カメラワークとかで優秀)。そのためのVコン。やはり上流から下流に綺麗に流していかないと上手くいかない。会社がつぶれるから許さない(そんな監督は使わない)。
Q.映像表現を学ぶために有効なこと。映画を見ること意外は?特にプログラマ向けで
A.クリエイターがプログラマに言うことはたいしたことが無い(面倒なことをボタンひとつで等)。レンダラーの新しいのとか考えていない。あったらどう使うか考える。優秀な人は映像を知らなくても話をあわせてくれるので、思ったものが出てくる。コミュニケーション力を身につけるのが大事。映画とか見たほうが良いけど、みんなTVで実は見てるよね。見るにしても好きなものを見ましょう。薦められて見たときでも好きなところを嫌いなところをはっきりさせましょう。それが長続きするコツでは。
あと、100回ぐらい見るとか(頭の中で丸写しになるまで)。あと、音を消してみると音の補助がなくなるのでさらに演出が身につく。
プログラマとしては、代替案を最初から用意してもらって提案を受けると逆に負けるか~という気になるが上手く乗せられたかな。
まぁ、みんな苦労してるよねという感じでしょうか。
個人的には、Vコンテに興味を持ちました。製作コストや管理コスト(他のデータとあわせて)はどのくらい大変なのかなぁ…